蜂は冬になるといなくなる? 過ごし方・冬に蜂の巣を撤去する方法

更新日:2024年3月27日
冬の蜂の巣

「えっ、冬なのにハチがいる! 冬場は冬眠するものじゃないの?」
「ハチって冬は見かけないけど、冬の間に巣を撤去しても大丈夫?」
「ハチって冬場はどこで何をしているの?」

寒い冬の時期は、めったにハチを見かけなくなりますよね。
たしかに、ハチの巣が拡大するピークは6〜8月の暑い季節だと言われています。
冬場のハチは、熊などの野生動物と同じく巣の中で静かに過ごしているもの…と思っていませんか?

しかし実は、ハチは冬でも人間を刺すことがあるんです!

えっ、冬なのにハチが刺すってどういうこと?!

そう思い、実際に冬にハチ被害があった件数や事例もしらべてみました。
ここでは、日本を代表する3種類のハチ(スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチ)について、次の内容をご紹介します。

  • ハチの冬の過ごし方
  • 冬に巣を撤去する方法
  • 冬にハチが刺す事例

「ピーク時を過ぎた冬場に、なるべく安全に巣を駆除したい」
「冬にハチと遭遇したときの対処法が知りたい」

とお悩みの方に、ぜひ読んでいただきたい内容となっております。
それではまいります!

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ハチは冬の間どうしているの?

枯れ葉にとまる蜂

まず、ハチの種類によって越冬の仕方が違います。
スズメバチとアシナガバチの場合は、冬になると新たな女王蜂だけが生き残ります。
働き蜂はというと…実は、寒さでみんな死んでしまうのです。

いっぽうミツバチは、女王蜂と働き蜂が一緒に集まって冬を越します。

3種類の蜂の越冬についてまとめました。
冬場のハチの過ごし方
  • スズメバチとアシナガバチの越冬
    働き蜂は寒さに耐えきれず、冬になると死亡します。
    古い女王蜂も、寿命で死んでしまいます。
    生き残るのは来年女王蜂になるハチだけです。
    新しい女王蜂は、お腹に卵を蓄え、翌年の春先に子孫を残すため生き残るのです。
     
  • ミツバチの越冬
    働き蜂も女王蜂も一緒に冬越しします。
    巣ではハチ同士が体を寄せ合って「おしくらまんじゅう」のように温度を維持します。

両者の違いは、生き残るのが女王蜂だけなのかそうでないのか、という点になります。
女王蜂の基本的な冬の過ごし方を見てみましょう。

冬眠はするの?女王蜂の冬の過ごし方

冬の道路を這う女王蜂

たった1匹になった女王蜂は、巣を離れて冬眠します。
スズメバチやアシナガバチの女王蜂は、もともと暮らしていた巣を離れて、次のような暖かい場所に移動して冬を越えるそうです。

  • 朽ちた木
  • 倒木
  • 土の中
  • 民家の軒下
  • 洗濯物の中
「せ、洗濯物の中?!」とびっくりしませんでしたか?

なんと、ベランダに干している洗濯物の中で女王蜂が暖をとることもあるみたいなんです!

ベランダのような洗濯物を干す場所の近くにハチの巣を見つけたら要注意です。
洗濯物を取り込むときに、蜂が挟まっていないか気をつけて見てみてください!

ハチが活動を終えるのは冬の何月ごろ?

蜂の種類によって越冬する時期や活発になる時期、寿命が異なります。
代表的な3種類のハチが1年間の活動を終えて大人しくなるのは、次の通りです。

ハチが活動を終える時期
  1. スズメバチ
    11月頃、働き蜂は死んで女王蜂だけ冬眠をする。
     
  2. アシナガバチ
    9月頃、働き蜂は死んで女王蜂だけ冬眠をする。
     
  3. ミツバチ
    11月頃、働き蜂と女王蜂は一緒に巣で越冬する。

では、日本を代表する3種類のハチ1年間の動きを月別にみて、とくに活発な時期をチェックしましょう。

1. スズメバチの活動時期

スズメバチ

スズメバチが活動をする時期はおおよそ5月〜10月のあいだです。

スズメバチの1年
1月 12〜3月頃まで、女王蜂は冬眠しています。

この時期、巣の中は空っぽです。

冬眠から目覚めた後にもともと暮らしていた巣に戻ることはありません。

2月
3月
4月 4月になると 女王蜂は冬眠から目覚め 、新たな巣を作り、産卵を始めます。
5月 5〜6月にかけて働き蜂が羽化しだし、巣が大きくなっていきます。
6月
7月 7〜10月にかけて巣はどんどん大きくなり、スズメバチは活性化します。

ハチに刺される件数がもっとも多く なるのはこの時期です。

8月
9月
10月
11月 寒くなるにつれて、働き蜂は死んでいきます。

女王蜂は冬眠の準備を始めます。

12月 女王蜂は冬眠します。

まれに12月まで巣の中にハチが残っている場合もあります。

残暑といえる8月〜10月までしぶとく活動するのが、スズメバチの特徴です。強いハチ毒を持っているので、刺されないよう注意しましょう!

2. アシナガバチの活動時期

アシナガバチ

アシナガバチが活動をする時期は6月〜8月頃です。

アシナガバチの1年
1月 10月〜3月頃にかけて、女王蜂は冬眠しています。

この時期、巣の中は空っぽです。

冬眠から目覚めた後にもともと暮らしていた巣に戻ることはありません。

2月
3月
4月 4月頃になると女王蜂は冬眠から目覚め、新たな巣を作り、産卵を始めます。
5月 暖かくなってくると働き蜂が羽化し始め、巣が大きくなっていきます。
6月 6〜8月頃にアシナガバチは活発になります。

ハチに刺される件数がもっとも多くなるのはこの時期です。

7月
8月
9月 9月に入るとほとんど活動をしなくなり、働き蜂は死んでいきます。

女王蜂は冬眠の準備を始めます。

10月 女王蜂は冬眠します。
11月
12月
スズメバチよりも、少しだけ活動時期が早いんですね。性格は凶暴ではありませんが、刺されると痛いので注意しましょう!

3. ミツバチの活動時期

ミツバチ

ミツバチが活動をする時期は2月〜10月頃です。

ミツバチの1年
1月 11〜2月頃にかけて、ミツバチは冬越しをします。

女王蜂も働き蜂も一緒に巣で体を寄せ合って温め合います。(この状態を蜂球といいます。)

2月
3月 立春を過ぎると、女王蜂の産卵が始まります。

暖かい日は働き蜂が花粉を求めて巣の外に出るようになります。

4月 春になると花の蜜を求めて活発に動き回るようになります。
5月
6月 6月頃は1年間でもっともミツバチの数が増える時期です。新しい女王蜂は働き蜂をつれて新たな巣へ引っ越します。
7月 朝や夕方の涼しい時間帯に動き回ります。

日中は日陰や巣で休んでいることが多いです。

8月
9月 9月頃、涼しくなると増殖を始めます。

スズメバチがミツバチを襲う時期でもあり、ミツバチはやや攻撃的になっています。

10月 冬越しの準備を始めます。
11月 蜂球になり、冬越しを始めます。
12月
ミツバチは夏場だけでなく、9月以降も注意が必要です。かわいい見た目をしていますが、冬場はピリピリして気性が荒くなるんですって…!

蜂の巣は冬の間に撤去するのがいい? それとも悪い?

スズメバチの巣

安全面の観点から、蜂の巣本体は冬場に撤去した方がいいです。

なぜかというと、女王蜂は冬眠から目覚めると、もといた巣に戻らず新しい巣を作るからです。古巣に蜂が戻ってくることは基本的にありません。

春〜夏のあいだは存在に気づかなかったけれど、冬になって初めて、家の敷地内に蜂の巣を見つけたわ。どうやら中は空っぽみたい!

このような場合は、冬のうちに速やかに巣を撤去しましょう!
巣の撤去方法は次の通りです。

冬の蜂の巣を撤去する方法

雪が積もったアシナガバチの巣

スズメバチアシナガバチの冬場の巣の中身は、基本的に空っぽ。
なので、巣の撤去自体は比較的カンタンです!
ここでは、スズメバチとアシナガバチの古巣を撤去するための手順を紹介しますね。
準備物は3点です。

準備物
  • 厚手の服(万が一刺されないようにするため)
  • 殺虫スプレー(蚊、アブ、蜂用)
  • 虫取り網
  • ゴミ袋
ハチ専用の殺虫スプレーは、だいたい1,000円前後。すべて新しく購入しても、2,000円以内におさまるはずです。

冬の蜂の巣を撤去する手順

冬場のハチの巣駆除4ステップ
(1)殺虫スプレーを巣に吹きかける

蜂の巣全体に殺虫スプレーを十分にふきかけましょう。
巣の中にハチがいないことを確認するためです。

殺虫スプレーを蜂の巣に吹きかける
(2)虫取りあみで蜂の巣を崩す

次に虫取りあみを使って、蜂の巣を崩します。

虫取りあみで蜂の巣を崩す
(3)蜂の巣をゴミ袋に入れる

ハチが完全にいないことを確認したら巣の残骸をすべてゴミ袋に入れ、可燃ごみとして処分します。
小さな巣の場合は、虫あみを使わずにゴミ袋をかぶせ、そのままはがし取ってもOKです。

ゴミ袋に入れる
(4)巣があった場所に殺虫スプレーを撒く

撤去したあと、巣があった場所にもう1度殺虫スプレーをまいておきましょう。
ハチの再来を予防するためです。

巣があった場所に殺虫スプレーを撒く
もし巣の中に生き残りのハチがいた場合、巣を撤去したあとでハチが周囲を飛び回る可能性があります。生き残りのハチは、巣を撤去されたことで攻撃的になっていますので、見つけても絶対に近づかないようにしてください。

1度で蜂を駆除しきれなかったときは、速やかにプロの業者に依頼しましょう。
一般の方には手に負えない「戻りバチ」の処理まで、きっちり対処してくれますよ!

【動画】軒下にできたスズメバチの古巣を撤去するようす

一般のかたがスズメバチの巣を撤去する動画を見つけましたよ!
かなり大きい巣ですが、虫取り網で少しずつ崩してキレイに撤去されていますね。

大きなスズメバチの巣は、夏のピーク時には駆除費用が高額になります。
毎年死亡事故が確認されているほど、プロでも駆除が難しいからですね。
逆に言うと、このような巣を一般のかたが撤去するのは、中にハチがいない冬場だけが唯一のチャンスということですね。

【+α】さらにしっかり駆除するために
蜂の巣駆除スプレー

1点、追加でアドバイスです。
動画の手順の前後に、ハチの巣ができた場所の周辺に殺虫スプレーを吹きかけると、さらにグッドです。
もしも巣の中に生き残りのハチがいた場合、事前に駆除できます。

また、1度巣を作られた場所というのは、ハチにとって居心地がよいということ。
翌年以降、同じ場所に巣を作られないためにも、予防のために撤去したあとで殺虫スプレーを撒くと効果的です。

ハチの巣を予防する効果が高い、オススメの殺虫スプレーがこちらです。類似商品とくらべて、お値段も安くて嬉しいですね♪

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知らないと失敗する!?冬の蜂駆除3つの注意点

夏よりもカンタンと言われている、冬場のハチの巣駆除。
しかし実は、思いもよらない失敗をすることがあるんです…。
この章では、冬場のハチ駆除でとくに注意してほしい3つの注意点についてお伝えします。

1. 冬場のミツバチの巣は駆除厳禁! 冬場の蜂の巣3種類を見分ける方法

冬場のミツバチの巣の見分け方

民家に巣を作りやすいスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチのうち、ミツバチの巣だけは、冬でも働き蜂が残っています。

ふだんは温厚で、ハチ毒も弱いミツバチ。
しかし9月以降の冬越えの時期は、気が立ってピリピリしています。
いくら毒が弱いと言っても、ミツバチの集団にいっせいに襲いかかられると大変です。

ミツバチに限っては、夏場よりもむしろ冬のほうが危険です。
冬場のミツバチ駆除は、私たちみんなのハチ駆除屋さんにご相談ください!

2. 盲点! 冬の蜂の巣には◯◯が棲み着いている可能性アリ

40〜50cmほどの大きい蜂の巣の場合、まれにアリを始めとした別の虫が入り込み、そのまま棲み着いてしまう可能性があります。

古巣をそのままにすると、知らない間に別の動物が大量に増えてしまうことがあります。
放置せず、撤去するに越したことはないと思います。

ハチの巣は、外から見ただけでは中がどうなっているかわかりません。いつの間にか別の生き物がウジャウジャ湧いていると思うと…なんだかゾッとしますよね!

3. 夏ほどではないものの、冬でもハチに刺されることはある

冬になるとハチは活動をやめるとご紹介しました。
しかし、「冬になればハチに刺されることはない!」と思ったらおおまちがい。
なんと、越冬中の女王蜂がお腹の子供を守るため、人間を刺すことがあるんです…!

年間のハチ被害データを見ると、11月〜2月の冬場にもハチ被害が報告されていることがわかります。
次の表は、1980年から2018年の38年間のなかで、冬にハチに刺された件数を表したものです。
冬の蜂被害件数のグラフ

(参考:『人を襲うハチ 4482件の事例からの報告』p44)

11月から2月の冬時期には、働き蜂はみんな死んでいるはずなのに…!思ったよりも被害件数が多くて驚きです。

刺された理由のほとんどは、女王蜂のハチ刺しによるものだそうです。
さらに近年は暖冬の傾向があるので、そのぶんハチが活発な時期も長くなっているのではないかと言われています。
そう、全然安心できないですね。

【被害事例】冬にハチに刺されるのはどんなとき?
消防車、壁にかけられた消防服、ヘルメット

本の中で、冬なのにハチに刺された人の被害事例が掲載されていたので引用します。

1988年1月中旬、その日は正月明けの行事である「どんど焼き」の日で、消防団員が日の後始末、点検をするのがしきたりになっている。そのため30代の男性は、陽当たりのよい廊下の壁にかけておいた消防団のハッピを着て見まわりに出かけた。
間も無く右肩に灼けつくような痛みを感じて、思わずハッピを脱いだところ、クマンバチ(キイロスズメバチのこの地方の俗称)が1匹ポトリと落ち、のろのろと動いていたという。

来診した男性の右肩には、ハチ刺しと思われる発赤腫脹を認めた。夕暮れ迫るころであったので、翌日ハチを確かめに現場に出向いてもらったが、いかんせん車の往来する路上のことであり、残念ながら見つけ出すことはできなかった。

(引用元:『人を襲うハチ 4482件の事例からの報告』p47)

この男性は死に至ることはなかったようです。
ですが、まさか服の中にハチが紛れているとは思いませんよね。
もし自分や家族のジャケット、防寒着から急にハチが飛び出してきたら…と考えるとゾッとします。

お伝えしたとおり、ハチは洗濯物や衣類の間に挟まって冬越えすることがあります。服を着る前に、虫がついていないかチェックしてください!
冬の蜂に刺されないためには? もっとも安全なのは業者に依頼すること!

1番安全に巣を撤去する方法は、ハチの専門業者に依頼することです。

自力でのハチ駆除は、季節に関わらず高いリスクが伴われます。
とくに冬は「ハチがいないんだし、テキトーにやってもなんとかなるでしょ」と油断してしまいがち。
根拠のない自信は、かえって自分や家族、ご近所の人ハチ刺されの危険に晒します。

安全かつ迅速に駆除したい方は、私たちみんなのハチ駆除屋さんに1度ご相談くださいね。
ハチの行動やリスクにくわしいスタッフが対応します。

まとめ

冬にまつわるハチの行動や巣の状態、危険性についてご紹介しました。
今回おさえてほしいポイントは以下の4点です。

  • スズメバチやアシナガバチは、冬になると女王蜂以外死んでしまう。
  • ミツバチは、女王蜂も働き蜂も一緒に冬越しをする。
  • ハチの古巣を放置すると、別の動物が住み着く可能性もある。
  • 冬でもハチ刺し被害はある。

ハチには活発な時期とそうでない時期があります。
しかし、だからといってハチの危険性が無い時期はありません

季節関係なく、ハチに怯えず安心して過ごせることを願っております!